中日邀请言语行为比较研究
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1 はじめに

現在、グローバル化により、留学やビジネスによる人々の移動が盛んになっている。中国においては、日本と中国の経済的な関係の強化や日本のアニメの普及などにより、日本語の人気が高まり、2012年には、日本への中国人留学生はすでに10万人を突破している。それに伴い、中国語母語話者と日本語母語話者がコミュニケーションを行う場面が増え、そこで生じる両者の誤解や摩擦も増えていると思われる。

例えば、中国語を母語とする日本語学習者は、上下関係が優先される人間関係において、上位者に親しみを表すために普通体を使ってしまい、馴れ馴れしい、礼儀に欠けるという印象を誤って相手に与えてしまうことがある。また、日本語母語話者は誰かを食事や遊びに誘って断られた時には、続けて何度も誘うことを避けて引き下がるが、中国語を母語とする日本語学習者は、勧誘が一度しか行われないことに対して、日本語母語話者に対して冷たいと感じることがある。これは、両言語において、社会的な規範や対人配慮の仕方など、様々な面で違いが見られることによるものであり、その結果、両言語の言語行動にも違いが生じるということである。

本書では、両言語で異なる言語行動の1つとして、「勧誘」を研究テーマとする。「勧誘」は日常生活において頻繁に行われる言語行動で、他人との関係を一歩縮める良い方法であるが、日本語母語話者と中国語を母語とする日本語学習者の間で誤解が生じやすい言語行動の一つとも言える。中国語を母語とする日本語学習者が日本語母語話者と円滑に勧誘の言語行動を行うことができるように、日本語と中国語における勧誘会話の構造や勧誘者と被勧誘者の言語行動の特徴などを対照することが本書の目的である。

日中の勧誘会話の言語行動に関する先行研究として、黄(2011)、(2012)が挙げられる。黄(2011、2012)は、意味公式を用いて、日中の勧誘会話を対照し、「共同行為要求」や、「誘導発話」を分析することで、日中の勧誘表現や勧誘の仕方について考察している。その結果、日本語では勧誘として「相手の意向を尋ねる」という意味公式を多用し、中国語の方は「自分の意向を述べる」を多用していることが分かった。日本語では、相手に配慮し、婉曲的に働きかける誘い方をするのに対して、中国語では相手が行きたいかどうかは別問題として、この誘いが相手にとって利益になると思い、ぜひこの機会に誘いたいと思って、積極的に働きかけていると述べられている。また、日中の「誘導発話」の使用から、日本語では、勧誘者が相手と距離をおいて、押し付けがましさを避け、相手に配慮するストラテジーを使用しているのに対し、中国語では、相手への負担よりは相手の利益を優先し、誘いを成功させるために積極的に働きかけている。そして、このような日中の勧誘会話を「配慮型」と「交渉型」と名づけている。この指摘は興味深い。

しかし、中国語母語話者は配慮をしていないのではなく、中国語なりの配慮をしているのであり、日本語と中国語は、いずれも相手に配慮しているものの、対人配慮の重点が異なるのではないかと考える。従来の研究では、勧誘者の言語行動に注目して、分析·考察を行うことが多く、被勧誘者の言語行動に対して十分に分析·考察を行った研究は少ない。また、被勧誘者が勧誘内容に対して興味があるかどうかにより、勧誘会話における日中の会話の構造や会話参加者が行う言語行動も異なると考えられる。そこで、本書では、被勧誘者が勧誘内容に興味がある場合と興味がない場合の2つの場面を設定し、特に被勧誘者の言語行動に注目する。被勧誘者が勧誘内容に興味がある場面と興味がない場面において日中の構造と発話連鎖にどのような特徴があるか、被勧誘者が勧誘内容への興味の有無によりどのように言語行動が異なるのか、また、日中の勧誘会話における会話参加者の配慮の仕方についても考察する。

調査対象は、日中の18歳—26歳の同等関係である親しい女性同士とし、被勧誘者の勧誘内容に対する興味の有無により場面を2つ設定し、ロールプレイによって会話の収集を行なう。

本書の構成は、まず2章で勧誘、聞き手の言語行動、あいづちに関する先行研究についてまとめ、次に3章で本研究のデータ収集の方法と分析の枠組みについて説明し、その後4章で本研究の分析結果と考察に入る。本研究の分析結果は、4.1日中の勧誘会話の全体的特徴、4.2日中の勧誘会話における<導入部><勧誘部>の特徴、4.3日中の被勧誘者の言語行動の特徴:被勧誘者が勧誘内容に興味がある場合と興味がない場合の違い、4.4日中の勧誘会話における被勧誘者のあいづちの使用、4.5勧誘会話における日中の勧誘者と被勧誘者の配慮の仕方、の順に見ていく。